玄関の改修 その3
防水シートのうえに石こうボードを貼って外壁の下地が完成しました。屋根の軒天井も同じようにボードで仕上げています。
新しい玄関の顔となるアルミ製建具の取り付け作業に掛かります。
最初に上下左右のレベルを調整して外枠を所定の位置に固定します。
以前は開きドアでしたが、新しい建具は引き戸(スライドドア)を選びました。
引き戸の場合、開きドアと比べ、開け閉めのときに一歩下がる動作がなくなるために使い勝手が良くなります。またポーチ部分も広く使えることから採用しました。
引き戸の取り付けが完了すると、いよいよタイルの貼り付け作業が始まります。
三人のベテランの職人さんが二日間で仕上げます。
袖壁に黒を基調としたタイルを貼る人、正面と右側のアイボリー系を受け持つ人、元のタイルの一部をはがして補修の準備をする人、それぞれが自分の持ち場を長年の技術を駆使してこなしていきます。
玄関の改修 その2
以前の玄関はデザインと補強を兼ねた二本の鉄製のポールで屋根からの荷重を支えていました。
袖壁はその左側のポールの役割を受け持ちます。右側のポールは玄関前の開放感を出すために撤去しましたが、特注の鉄製アンカーを屋根裏の桁に取り付けて補強しています。
袖壁の基礎が出来上がると柱を立て壁の骨格を造作します。
増築部分と同じように透湿・防水シートを貼って雨仕舞いをします。
玄関工事の場合、夜間の防犯上からも出来るだけ短い時間で仕上げることが重要ですから、旧い玄関ドアは最後に取り外します。
残りの部分にもシートを貼って胴縁で固定します。
玄関の改修 その1
今回のリフォームでは、増築だけでなく既存建物の内部と併せて、外回りにも手を入れています。
屋根や外壁の塗装の塗り直し、樋の交換に加えて、家の顔ともいうべき玄関の改修に取り掛かります。
新しい玄関はそれまでの雰囲気を一新させて、イメージを大幅に変えてることを狙っています。玄関ドアを交換するだけでなく、壁材にタイルを使用して高級感と重厚感を演出します。
まず、玄関部分の天井や壁を解体していきます。
次に、現在の左側壁の延長線上に袖壁を作るため基礎工事に掛かります。
長さはわずかですが、型枠を組んでコンクリートを流し込み、金物を入れる作業は通常の基礎工事とまったく同じです。
袖壁の基礎が出来上がりました。
蓮の花
川内町の工事現場の近くの田んぼに蓮の花が咲いていました。
蓮は、早朝に花が咲いて午後になると閉じてしまいますから、午後に撮影したことがわかります。
花はわずか三日間だけ咲いて散ってしまうはかないものですが、花が終わる頃になるとその地下茎であるレンコンの収穫時期を迎えます。
徳島県は、茨城県に次ぐレンコンの産地ですが、鳴門市や川内町で主に栽培されています。
蓮は清廉な美しい花を咲かせることから、仏教では仏の知恵や慈悲の象徴とされてきました。
また、死語に極楽浄土に往生し、同じ蓮花の上に生まれ変わって身を託すという考え方から、一蓮托生という言葉の語源になっているようですね。
そんな蓮は、日本人の感性と繊細さを象徴する花の一つと言えるかもしれません。
ユニットバス その3
浴槽と洗い場の床を架台に固定する作業が終わると、周囲の壁にパネルを取り付ける準備にかかります。
まず、細い金属製の柱材をユニットの四隅と真ん中の位置に立てます。それぞれのタテの柱にヨコ方向に部材をつないでユニットのフレームを作ります。
出来上がったフレームに断熱材入りのパネルを順番にはめ込み、 窓の開口部分はサイズに合わせて現場でカットして調整します。
組み立て作業もいよいよ大詰め。
パネルの壁面にカウンター、シャワーフック、カガミ、照明などのパーツを決まった位置に固定していきます。
最後に、天井部分を取り付けるとユニットバス組み立てのすべての作業が終了します。
実際に使い始めるまで、キズや汚れなどが付かないように養生をしておきます。
ユニットバス その2
ユニットバスには数多くの部材とパーツ類が含まれています。
いくつものダンボールに小分けした部材が工事現場に届けられ、販売代理店の指定業者さんが責任施工で組み立てていきます。
業者さんは、1社か2社の住宅設備メーカーの製品を専門に組み立てていますから、慣れた手順でテキパキと作業を進めます。
今回は二人の担当者が丸一日を掛けて組み立てます。
まず、コンクリートのベタ基礎の上にユニットを載せる架台を固定しますが、ここで大事なことは傾きがないようにレベル合わせをキチンと行うこと。
架台の前後や左右にわずかでも傾斜があると、ユニット全体の強度や使い勝手に大きく影響してきます。
架台の固定が終わると、次に洗い場、浴槽を決まった位置に据え付けます。
ユニット本体と給排水の配管設備、エコキュートからの給湯配管との接続は入念にチェックしながら作業します。
ユニットバス その1
増築部分には、奥様のこだわりの部屋だけでなく浴室、洗面・脱衣室の水回り設備が含まれています。
以前の浴室の面積は0.75坪の広さで、施主様も家族の皆さんもちょっと狭いなと感じていたようです。
どうせ新しくするなら、足を伸ばしてゆったりと入れる広いお風呂にしようというのが家族全員一致の意見でした。
ところが、古いお風呂は壁だけで無く天井までが鉄筋コンクリートです。
これを解体して浴室の面積を拡げるとなると、工事費だけが増えて現実的なプランとは言えません。
そこで代わりの案として登場したのが、増築部分に新しい浴室を配置することでした。
「左側が浴槽、右側が洗い場となります」
透湿・防水シート
アルミサッシの枠を取り付けたあとから、増築建物の壁全体に透湿・防水シートを貼り込んでいきます。
透湿・防水シートは、高密度ポリエチレン不織布を建材の用途に使用したものです。
顕微鏡で拡大してやっと分かるくらいの微細な繊維のすき間から湿気が抜けるため、木材や断熱材を乾燥状態に保つ効果があります。
さらに、透湿・防水シートの大きな特徴として、湿気は通しても水は通さないため、長期間に渡って外部からの雨水の侵入を防ぐことができます。
また、軽くて強度にも優れているため、いろいろな建築現場で幅広く利用されています。
「シートの貼り付け作業」
「全体に貼って胴縁で固定します」
奥様のこだわり
奥様専用の部屋には、いくつものこだわりがあります。
エクササイズマシンなどの機器だけでなく、壁面には床から天井近くまでポールをたくさん取り付けます。
これで何をするかと言いますと、上のポールはぶらさがっての背筋伸ばし、下のポールはつま先を入れて腹筋運動などに利用します。
反対側の壁には、大きなカガミを取り付けますから、運動しているときのご自分の体の動きやをかたちを確認することが出来ます。
床の上で跳んだりはねたりしても大丈夫なように床も補強しています。
また、部屋の内装についても、床やドアの建具の色をホワイトでまとめるなど奥様のアイデアやセンスが随所に活かされています。
「部屋と水回りの出入り用引き戸の枠の取付、色はホワイト」
奥様の長年の夢
リフォームや増築する場合の目的、それは当然のことですが、お客様それぞれの家族構成や生活環境、ライフサイクルなどによって違っています。
今回、母屋のリフォームと合わせて増築する部屋は、名称は多目的ホール、ミーティングルームとなっています。
でも、実際のところは奥様がこれまであたためてきた夢をかたちにしたもので、ずっと念願してきたプランがやっと実現することになりました。
会社を経営している奥様は、文字通り全国を飛び回っています。自宅に居るのが月の半分位しかなく、いつも忙しくされています。
ですから、自宅に戻ったときにほっとくつろげる空間がどうしても必要でした。
また、あたらしい部屋に健康機器を設置して、運動不足になることを防ぐと同時に気分をリフレッシュさせたいと考えていました。
その夢が、今回やっと実現することになったのです。
「増築する部屋の床材は、母屋と違うホワイトを選びました」