足場の解体

 樋の交換で外回りの工事はすべて終了しました。

 

工事開始から約2ヶ月間、増築部分の棟上げ、塗装、コーキング打ち替え、玄関改修など外回り作業の安全確保のために必要だった足場も役目を終えて解体するときがきました。

 

足場を組み立てるときは一日掛かりでしたが、解体するときは半日もあれば充分です。

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 解体作業が始まると工事の終了が近づいたことを実感します。安堵感と一抹の寂しさが入り交じった複雑な気持ちになります。

 

ただ、建物を囲んでいた足場がすべてなくなると建物が一回り大きくなったような感じがします。

 

施主様はもちろん、工事関係者も妙な圧迫感から開放されてほっとした気持ちになってしまいます。

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樋の交換

 当初は、屋根と外壁の塗装の塗り直しに合わせて樋も塗り替えをする予定でした。

 

ところが、施主様から次にやり替える10年先には樋も相当悪くなっているので、どうせなら足場を組んでいるいまのうちに新しくしたいとの要望があり、塗り替えから交換に変更になりました。

「交換前の外観」

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 新しい樋の色は、大きく変わった玄関の雰囲気や外壁の塗装色とのバランスを考えて、チョコレート色を選びました。

「三角屋根の底辺部分が新しい樋」

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 以前は外壁のグレー色に合わせて樋も薄いグレーでした。

 

今回はアイボリー色の外壁に系統の違うチョコレート色を使ってアクセントを付け、全体が引き締まるようにしました。

「アイボリーの壁に樋がアクセントとなっています」

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LDKの造作

 増築部と並行して、もう一人の大工さんがLDK内部の造作を急ピッチで進めています。

 

新しい床材は早い段階で貼って養生しておきますが、壁と天井の造作は大工さんの最後の仕事になります。

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 壁は厚さ12ミリの石こうボード、天井は4ミリ厚のベニア合板で下地を仕上げます。

 

下地の造作が終わると以前の建物の面影がすっかりなくなってしまい、リフォーム工事の完成が近づいていることを実感します。

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 キッチンには手前から窓側の壁いっぱいまで2m80㎝のカウンターを取り付けました。

 

25㎝の幅がありますから、茶碗や皿・料理を食卓テーブルへ運ぶ時に仮り置きすることが出来ます。

 

これで大工さんの作業はすべて終了しました。

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ビルボード吸音材

 増築部分の造作作業も順調に進んでいます。

壁はグラスウールの断熱材を入れたあとに石こうボードを貼って下地を作ります。

 

オープン状態の天井から屋根の野地板が見えていますが、野地板の屋根側の表面にはビルボード吸音材を貼っています。

 

ビルボード吸音材とは、雨音や太陽の熱を低減する屋根の下地材のことです。

 

増築部分の屋根材にはガルバリウム鋼板(金属製)を採用しています。

ビルボード吸音材は、この金属屋根に響く雨音を押さえると同時に、断熱材として屋内への熱の伝わりを和らげてくれる効果があります。

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 天井にも断熱材をすき間なく詰めていきます。

グラスウールにすき間があると断熱効果を充分発揮することが出来なくなります。

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 天井にも石こうボードを貼り付け、部屋内部の造作作業がすべて終わりました。

 

天井の石こうボードにはタテ方向にあえて1㎝くらいの間隔を空けています。これはクロスで仕上げたとき、天井に表情(デザイン性)を持たせるための工夫です。

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トイレの移動

 トイレは既存のシャワートイレを最新式のタイプに更新します。

 

増築部分の部屋と脱衣室の取り合いの関係から、位置を半間だけ左側に移動させることになりました。

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  トイレの位置の移動に伴って、給水や排水位置も同時に変更することになり、配管をやり直しします。

 

新しいトイレはタンクのないタイプですから、手洗いが付いていません。

 

手洗いがないと困るとの要望を受けて、カウンター付きの手洗いを左側の壁に設置することにしました。

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  胴縁の上にプラスターボード(石こうボード)を貼って下地を造作します。

 

トイレが一ヶ所しかないため、工事期間中は仮設トイレを使っていただくことになります。

 

施主様のご不便を短期間で解消させるよう、大工さん二人掛かりの特急工事でサッシを取り付け、天井・床・壁の下地を仕上げます。

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 内装は床がクッションフロア、天井・壁がクロス仕上げとしました。

 

丸三日間ですべての作業を終わらせ、施主様のご不便も短期間で解消することが出来ました。

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コーキングの打ち替え

 屋根と外壁の塗り替え作業と順番が逆になってしまいましたが、実際は塗装の前にコーキングの打ち替えを行っています。

 

コーキングの打ち替えとは、外壁材と外壁材の継ぎ目や出隅・入隅、アルミサッシの回りに以前施工したコーキング剤を全部取り除いて、新しくやり替える作業です。

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 住宅が建っている回りの環境や条件によって違いがありますが、10年を過ぎたころからコーキング剤の劣化が始まります。

 

年数が経過すると硬化が進んで縮みや割れが生じてきます。そのままでは雨水の侵入を防ぐ本来の機能を果たすことが出来ません。

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 今回は増築のタイミングに合わせて既存部分の打ち替えを行うことになりました。

 

以前のコーキング剤をていねいに取り除いた後に、新しい材料をすき間に注入してヘラで押さえていきます。

 

写真の右側が増築建物、左側が既存の建物です。その間を新しいコーキング剤がすき間なく充填されています。

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炎天下での塗装

 外回りでは、屋根と外壁の塗装の塗り替え作業が始まりました。

 

まずは高圧洗浄機を使って、建物全体にこびりついた汚れやかび・こけなどをていねいに落としていきます。

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 炎天下でのきつい作業ですが、この作業の善し悪しによって塗装の寿命に直接影響してきます。

 

洗浄が充分に行われていない場合、かびやこけの上に新しい塗料を塗ってしまうことになります。

 

そのうちにかびやこけが浮いて塗膜が剥がれ出し、せっかく費用を掛けたにもかかわらず、塗り替えの効果が早期になくなってしまうことになります。

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 洗浄作業が終わると一日間おいて乾くのを待ちます。

 

 

塗装ははけとローラーを使って手塗りで行います。塗装工事は、塗料の飛散などトラブルやクレームを防ぐために入念な養生を行った上に、作業も慎重に慎重に進めます。

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 時間と手間が掛かりますが、避けて通ることはできません。

塗り替えは、三人の職人さんが5日間を掛けてきれいに仕上げてくれました。

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キッチンの据え付け 取付編

 キッチン本体を据え付ける準備が出来上がると、後方の壁面に食器収納キャビネットから取り付けていきます。

 

このキャビネットは高さが70㎝、横幅が180㎝の吊戸棚つきですから、これで収納量に困ることはまずありません。

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 キャビネットの右横には家電収納ユニットを配置します。電子レンジ、炊飯器、オーブントースター、電気ポットなどの調理家電類を効率よく使うことができるようにしています。

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 キャビネットの取り付け作業が終わると、次にキッチン本体に取り掛かります。

 

キッチンやユニットバスの工事は、販売代理店が指定した業者の責任施工となります。いつもなら、二人の職人さんが来るのですが、消費税率のアップを前に仕事量が増えて忙しいため、今回は一人での作業になりました。

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 いつもより時間が掛かりましたが、どうにか一日で組み上がりました。

作業が終わると、実際に使用する日まで厳重に養生をしておきます。

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キッチンの据え付け 準備編

 建物の内部、外部でいろいろな作業が同時進行しています。LDKでは新しいキッチンを据え付ける場所の造作工事が始まりました。

 

新しいキッチンは、横幅2m70㎝のI型。吊戸棚をあえて無くし前面をすべてオープンにすることで開放感を出すことにしました。

 

正面の一段低い枠材のところがシンクと作業台、左側にレンジフードが収まります。

以前のキッチンの場所から少し離れているため、改めて給水と温水の配管を移動させて床から立ち上げています。

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 キッチン回りには、本体の食洗機・IHコンロ・レンジフード・照明、さらに家電収納ユニット・冷蔵庫など多くの電源やコンセントが必要になります。

 

電子レンジや炊飯器など調理家電を同時使用するときにブレーカーが落ちないように電源の系統を分けて設計しています。

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玄関の改修 完成

 三人の職人さんはほとんど会話することも無く、黙々と自分の作業を進めていきます。

 

超ベテランの方ばかりで、自分のやるべきことと手順をすべて把握していますから、仕事が早く進んで心配することがありません。

 

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 以前は開きドアだったので、玄関ポーチは内部の床面よりタイル一枚分低くなっています。

 

スライドドアの場合は使い勝手を考えると玄関の内、外の高さをフラットにする必要があります。

 

そこで、ポーチ側をかさ上げするために、モルタルで下地を作ったあと、充分乾かすために一日おきます。

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 翌日、現状のタイルと出来るだけ色が近くなるように選んだタイルを貼り付けます。ポーチの立ち上がり部分と床面に新しいタイルを貼り、ていねいに目地を押さえるとタイル工事はすべて終わりです。

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